「文化保存としてのゲームアーカイブ」レポ | BLゲーム資料保存館

「文化保存としてのゲームアーカイブ」レポ

3月30日(日)に東京藝術大学でのシンポジウム「文化保存としてのゲームアーカイブ」に参加してきました。

PART1は「美術館・大学でのゲームアーカイブの現状について」です。
博物館や大学側からの視点での「産業・文化・保存・展示」のどれを目指すのかという内容でした。

まず「立命館大学」の収蔵庫が動画で紹介されました。
棚にはたくさんの本体や周辺機器の数々、ダンボール箱にはコードで管理されたSFCがぎっしりと詰め込まれてました。
未来のゲームのアイデアの引き出しとなること、進化の歴史がわかることを重視しているそうです。

続いては「ストロング遊戯博物館」の施設紹介です。
あのストロング遊戯博物館も最初から成功したわけではなかったそうです。
やれるところから始め、試行錯誤し、風呂敷を広げ過ぎずどこに重点を置くかを考えた結果が今の「触れて遊ぶ」というスタイルなのだそうです。
今はガ〇ダムの企画をしているのだとか。

最後に「LVLup! エストニアビデオゲームミュージアム」「フィンランドゲーム博物館」日本のアーケードゲーセン「SUGOI」等の(メモを取り忘れました)世界のゲーム博物館がそれぞれどこに重点を置いているかの紹介です。
LVLup!は最初は個人のコレクション展示から始まり、現在は展示だけでなくゲームを実際にプレイすることもできるそうです。展示品には海賊版のソフトもあり、そちらがとても興味深かったです。
「フィンランドゲーム博物館」は昨年「日本の恋愛ゲーム展」が開催され、乙女ゲームだけでなくBLゲームの「sweet pool」が展示されてましたね。

PART2は「国内の民間・企業・有志団体でのゲームアーカイブについて」です。

「NPO法人ゲーム保存協会」は「文化」「保存」でした。
最近はゲームが文化という認識が一般的になったが、文化は保存が必要という認識や行動は不十分なままで、日本で生まれた日本語のゲームは日本で残すことに意味があるという熱い想いを語っておられました。

「有限会社エムツー」は「産業」視点からでした。
過去作品のリメイクは企業としてのアーカイブで、では何のためにやるかというと
・社史を残す意味
・商業化を踏まえたビジネス
なのだそうです。
では著名でないタイトルはチャンスは無いのかというとそんなことはなく、自分が有名になって推すという資本主義のルールを逆手に取るのだとか。
何故このようなことが可能なのかというと結局はゲームは人が作るので、人の熱意で空間が捻じ曲がるそうです。とても有意義なお話でした。

「有志団体アーケードゲーム博物館計画」は「保存」でした。
これまで3度の移転・引っ越しをし、そのたびに存続危機に悩まされたそうで、移転を機に改めて
・部品の問題で修理ができないのをどうするのか?
・何を残していくのか?いきたいのか?
・メンバーも高齢に差し掛かり、今後を託せる先を見つける
等の問題を問い直しているそうです。

大学・博物館側は実際に遊ぶことができる「文化」「展示」
民間・企業・有志団体側は「産業」「保存」「文化」
知って貰うことと、残すことでそれぞれ対比的な結果でした。

当時の物を集めて展示し、触れてもらうことは日本の歴史を知って貰うこと。
これは大企業でもない限り簡単にできるものではないので日本も国が主体となって積極的にやって欲しいです。
また大学・博物館と異なり「場所・資金・人」の問題がある民間・企業・有志団体側の古い物を残すこと、現状を維持することの大変さは決して「好きだから」の想いだけでどうにかなる物ではありません。
当館も課題は山積みで、何か一つでも学んでそれを活動に活かせればと参加しました。
そんな中、ほりいさんの「正攻法ではなく奇策で行け(意訳)」はまさに暗闇に差し込んだ一筋の光でした。

各団体の使命と取り組み、現状と課題を伺うことができ、勉強になりました。
反省点はせっかく著名な方が一堂に会しているにも関わらず名刺交換せず人脈を広められなかったことです。この失敗は次回に生かします。

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